2018年6月29日金曜日

札幌 ロシア製電気式銃を押収 国内初 ~ M氏の視点 "致死性とは”

銃身ないロシア製電気式銃を押収 国内では初めて

引用元:HTBニュース

  去年5月、札幌市に住む男から警察がロシア製の電気式拳銃を押収していたことがわかりました。この電気式で弾を発射するタイプの拳銃の押収は国内初となります。
 警察が押収した拳銃は、ロシア製の「オサー・PB・4M」で、銃身や撃鉄がなく、引き金を引くと電流が流れて発火し弾を発射する方式の銃です。捜査関係者によりますと、去年5月にこの拳銃や銃弾を所持していたとして、札幌市に住む無職、秋山賢士被告が逮捕されました。秋山被告は、「ロシアの友人からプレゼントされた」と話していたということです。このタイプの拳銃は、ロシア国内では照明弾の発射用や陸上競技のスターターピストルとして利用されていて簡単に入手できます。ただ至近距離であれば殺傷能力もあるため護身用などでも使用されています。日本国内でこのタイプの拳銃が押収されるのは初めてだということです。




M氏の視点

 意外に思われるかも知れないがロシアではマフィアなど犯罪組織は別として(軍払い下げの銃器を購入していたりする)銃器所持はとても厳しい。
 市民はこういったアンリーサルウェポン(否致死性兵器)を買い護身用に使っている。似たような物としてヨーロッパではお祭りなどで爆竹を鳴らす感覚で空砲を撃てる銃を販売している。
 登録も必要なく買えるので珍しいものではなく、この手の銃(銃器としてカテゴリーされるべきか個人的に微妙)はソ連崩壊以降に治安悪化などを背景にして急激に普及した代物でケースレス弾といっても所謂、運動会などで使われるスターターピストルみたいなものに近い。
 薬莢だけの構造なら日本のモデルガンの薬莢に弾を詰めたものみたいなものでボア(銃身部分) が無いために非常に短距離でしか効果を発揮しない銃となっている
 電磁式のストライカー(撃発)も珍しくものではない、実銃ではワルサー社などがスナイパーライフルでも使っているし、電気を使ったストライカーとしては日本のエアガンとかでも使用はされている(システムは異なる)
 一般的な銃は銃身にあるライフリング(映画「007」のオープニングに出てくる銃口の溝)によって弾に回転与えて弾道を安定させるのだが、薬莢だけから弾が出るこの銃では至近距離からしか効果はなく メーカーも当初から近距離でのトラブルでの護身を目指している
 薬莢しかない銃は一見すごい話に見えるがショットガンの弾も同じ様な構造で、薬莢に弾が入った状態 (普通の弾は火薬の入った薬莢と弾頭が別になっている)で、皆、映画などでオレンジ色のシェルをショットガンに詰めてるシーンなどに良くある。 ショットガンの場合は薬莢でないからシェル=殻と呼んでいる。

 ショットガンの銃身にはライフリングは無く(スムースボアという)、  ただこちらは銃身がついていて長いものから短いものもあるがあるが、 その銃身の長さによって有効射程は変化する。しかし近距離用という事には変わりはない。映画「エイリアン2」でヒックス伍長が「接近戦にはこいつが一番だぜ!」と言っていた通り、近距離に散弾をばら蒔く面での破壊力で強力な威力を見せ第一次世界大戦で米軍が塹壕戦で多用しドイツから非人道的な兵器として訴えられた。多数の散弾が身体に残り近距離から撃たれた人間はグズグズになってしまい、一発の弾で撃たれるより悲惨な結果になる。致死性としては大口径のライフル弾の方が大きいが、腹に穴を開けられるか、大きな大根おろしで全身を2、3度すりおろされたのがいいか、例えが適切ではないがそんな違いがある。

 また、散弾を使ったという話に限定すれば普通に拳銃でも散弾を装填出来る弾もあり、小さなショットシェルを使った小型の銃もアメリカでは一般的に使われ主にバーミントといって小型の害獣、ネズミや蛇などの)駆除に使用されている。
 発射後、薬莢もなくなる本当の意味でのケースレス弾という発想は、実用化という面で1970年代に試作品を旧西ドイツのH&K社がかなり実用域まで近づけたが、薬莢にあたるケース自体が火薬であり、火薬が弾丸を包み込む形で作った為に連射などすると熱くなった銃のチャンバー付近でケース自体が熱によって勝手に発火するという事態が発生した。(引き金を引いてなくても発射されるという恐ろしい事態、スラムファイアという)。それが解決出来ず米軍トライアルなどにも臨んだが、お蔵入りした。ちなみにケースレス弾という発想自体は実用は別として中世紀位までさかのぼることが出来る 。 

 本件はいわゆる日本でも買える痴漢撃退スプレーみたいなもので使い方が悪ければ殺傷力もあるというのが実の所。これはあくまで私の写真を見ての判断だが、鉛のペレットで長いので頭や目などに近距離から使われたり装薬も増やしたら危険。しかし基本はゴム弾とかを発射する前提のモノ故に友達感覚として譲渡したものだろう。
 銃自体はかなりチープな作りで、基礎設計自体は昔、青酸ガスの入ったカプセル弾を発射するKGBが暗殺に使用した銃の構造に近いもので、そちらから派生したものと考えられる。似た形状で流石に作動システムは違うが、むしろ逆に枯れた技術とも言える。

 どこまで実用かは著者は知らないがアメリカでは真鍮(ブラス)で作った薬莢の代替として強化プラスチック(ポリマー) で作った薬莢を製作し銃器ショーなどでも発表している。真鍮は高価な上、重いのでプラにすれば安価だし軽くなるという発想だ。
 実際、湾岸戦争や後のイラクやアフガンの争乱期に軍用に回す弾が優先され、アメリカ本土では一般市民が買うガンショップで軍用口径の弾が払底されたり値段が高騰した事があった。 それなら強化プラスチックで作ればいいじゃないかと、あくまで発表なので実用の程はガン関係の専門紙を見るのが一番だが昨今の銃は昔に比べポリマーで出来た強化プラ部品で構成された銃が増え全部が鉄という銃の方が少ない。皆、軽量化を狙ったものだけでなく強度も保証されたものとなっている。その上安価に済むし加工も自由度が高い。 合成素材の信頼性が上がったテクノロジーの産物とも言える。 勿論、火薬など激しいストレスが掛かる部分は鉄だが トリガー、マガジン、フレームといった部分にはポリマーは多用されている。一部のマガジンはスチールで出来たマガジンより強度が高いという記事も聞く(ハンビーに踏ませても作動したそうだ) 。ただ、それぞれ一長一短はついてまわるのでポリマー万歳というわけではない。 
 今の銃器市場はポリマー製が全盛を誇っている。先に世界の警察を自負する米軍の正式拳銃もモジュラー方式(着せ替え人形の様な拳銃と考えると良い)のポリマー拳銃に切り替えた。昔はプラスチックなんてと笑われたものだが時代の進歩は著しく今はポリマーが絡んでない銃を探すのが難しい数発だけ撃つなら3Dスキャナーを悪用した人がライフルフレームを使い発射に成功している。(これ読んで私も…なんて人は間違いなく捕まる。実銃の弾が手に入らない日本では大丈夫だが、事件も米国での話) 
 いつかはケースレス弾も生まれるかもしれないが、現実はそんな凝った事しなくても現存の銃で事足りているから新機軸を必要としていない基本的な銃の構造は1900年代に完成していて変える必然も無いからだ。そういった理屈はいつまで経っても進まない宇宙開発を見ればわかる。月に行った。遠い星まで探査できる衛星も作った。でも日頃の生活になんかプラスがあるの?と言われたら いくつあるだろうか。逆に戦争によって生まれた忌むべき技術が今ある日常生活に多大な恩恵をしている事に目を向けて見るのもいいかもしれない。悪からうまれた生産性ある科学の多いことを私たちは知っておいて損は無い 。

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